回線速度の測定値は、測る環境によって大きく変わります。正しく測るための条件は「LANケーブルでの有線接続」「他のアプリを閉じた状態」「複数回計測して平均を見る」の3つです。この3条件を無視して測ると、実際の回線の実力とかけ離れた数値が出てしまいます。

「速度を測ったら遅かった」という結果だけで一喜一憂する前に、まずは正しく測れているかを確認する必要があります。この記事では、測定値がブレる理由と、正しく測るための条件、結果の読み方までを整理します。

なぜ測定値がブレるのか

速度測定の結果がそのたびに変わる主な原因は3つあります。1つ目はWi-Fi接続で測っている場合の電波状況です。ルーターからの距離や障害物、同時に接続している他の端末の台数によって、測定のたびに数値が上下します。

2つ目は、測定中に他のアプリやブラウザのタブが通信を行っている場合です。動画のバックグラウンド再生やクラウドの自動バックアップが動いていると、測定用の通信と帯域を奪い合い、正しい数値が出ません。

3つ目は測定するタイミングです。夜間などの混雑時間帯は、回線自体が混み合っているため、同じ環境で測っても昼間より低い数値になりやすくなります。この3つが重なると、同じ回線でも測定のたびに数値が大きく変わって見えます。

正しく測るための3条件は何か

正確な回線の実力を知りたい場合、次の3条件をそろえてから測定します。

条件理由
① LANケーブルでの有線接続Wi-Fiの電波状況という変数を取り除き、回線そのものの実力を測れる
② 他のアプリ・タブを閉じるバックグラウンド通信による帯域の奪い合いを防ぐ
③ 複数回計測して平均・中央値を見る1回だけの測定では偶然の数値になりがち

パソコンとルーターをLANケーブルで直接つなぎ、動画再生やダウンロード中のアプリをすべて閉じた状態で、3回以上測定します。数値がバラついた場合は、極端に高い・低い回だけを除いて中央値を見ると、回線の実力に近い数値が把握できます。

測定結果はどう見ればいいのか

速度測定の結果には、主に「下り」「上り」「Ping」の3つの数値が表示されます。下りはデータを受信する速度で、動画視聴やWebサイトの閲覧、ダウンロードに関わります。上りはデータを送信する速度で、ビデオ会議での映像送信やファイルのアップロードに関わります。

Pingは応答が返ってくるまでの遅延時間(ミリ秒)で、数値が小さいほど反応が速いことを意味します。動画視聴では多少の遅延があっても体感に影響しませんが、オンラインゲームやビデオ会議のようにリアルタイム性が求められる用途では、下り・上りの数値以上にPingの小ささが重要になります。対戦ゲームでの回線選びの考え方は対戦ゲームの回線選びで解説しています。

契約プランに記載された「最大1Gbps」のような数値は、あくまで理論上の上限です。実際の測定値がこれを大きく下回ること自体は珍しくありません。この「最大値」の意味についてはベストエフォートの正しい読み方で詳しく解説しています。

遅いとわかったら次にすることは何か

正しい条件で測定して遅いとわかったら、次にすべきは原因の切り分けです。まず、測定した時間帯を記録しておきます。夜間だけ遅いのか、時間帯に関係なく常に遅いのかで、疑うべき原因が変わります。

夜間だけ遅い場合は回線の混雑が原因である可能性が高く、時間帯に関係なく常に遅い場合は家の中のWi-Fi環境や配線方式が原因であることが多くなります。原因ごとの切り分け方はネットが遅いときの切り分けに、速度を決める全体の仕組みは速度が決まる仕組みの全体図にまとめています。

原因を切り分けた結果、回線自体の混雑や配線方式の上限が原因だとわかった場合は、回線の乗り換えが解決策になります。実質料金シミュレーターで、いまより高速な回線の総額を比較できます。測定と原因の切り分けを先に済ませておくと、乗り換え後に本当に速度が改善したかどうかを、同じ条件で正しく比べられるようになります。

この記事のまとめ

  • 回線速度の測定値がブレる原因は「Wi-Fiの電波状況」「他アプリの通信」「測定タイミング」の3つ
  • 正確に測るには「有線接続」「他アプリを閉じる」「複数回測って平均・中央値を見る」の3条件をそろえる
  • 下りは受信速度、上りは送信速度、Pingは応答の遅延時間を表し、用途によって重視すべき数値が違う
  • 「最大◯Gbps」はあくまで理論上の上限で、実際の測定値がこれを下回ること自体は珍しくない
  • 遅いとわかったら、時間帯によって遅いのか常に遅いのかを記録し、原因を切り分けてから対処する